速読のように「インプット速度を高めて、インプット量を増やそう!」というビジネス書、たくさん売られていますよね。
でもできるならインプット量はそのままで成果だけ増やしたですよね。
そんな人におすすめなのが今回紹介する『ハック思考』です。
この記事では「第1章 世界をHackするための2ステップ」に焦点を当てて、インプット量そのままで成果だけ増やす方法を紹介していきます。
ハックとは何か?
著者の須藤憲司さんはハックを次のように定義しています。
同じインプットから大きな成果を得られるように転換効率を劇的に高めることをハックと呼びます。
(8ページより)
つまりインプットを増やすことなく、成果を上げるという夢のような方法がハックってことですね。
このハックをどうすればできるようになるのか?
次の項で見ていきましょう。
ハックの単純な方法
ハックは次の2ステップでできるそうです。
世界をハックするのに複雑なプロセスは必要ありません。
人と違う規則性や法則を見つけて…①
その規則性や法則を構築するシステムのスキマに介入する…②
というたった2つのステップで実行できます。
(10ページより)
とはいえこれだけ見ても何をしていいかわからないですよね。
なので、次の項で『ハック思考』で紹介されているケーススタディを使ってハックを体験してみましょう。
ハックを体験してみよう!
使うケーススタディはこちらです。
Q.退学率を減らすには?
(193ページより)
さっそく考えていきましょう。
①人とは違う法則を見つける
普通に考えると、「経済的に困窮して退学する」みたいな対策が出てくると思います。
でもこれじゃあ、人とは違う法則を見つけてられてないですよね。
『ハック思考』で提示されている回答例はこんな感じです。
①人とは違う法則を見つける:
友達がいないと辞めやすい
(193ページより)
この法則を見つけるために著者は「学校」を「コミュニティ」という大きな概念で捉え直して、
「コミュニティをすぐ辞めてしまうのはどんなときだろう?」と考えたそうです。
そして「コミュニティをすぐに辞めるのは、周りが知らない人ばかりだったとき」という考えに至り、友達がいないと辞めやすいという法則を見つけたそうです。
こんなふうに過去の事例に基づいて、具体的に考えてみると新しい法則が見つけやすいですね。
②その法則を構成するシステムのスキマに介入する
では「友達がいないと辞めやすい」という法則があるとして、システムのスキマに介入してみましょう。
例えば「入学式の後に自己紹介をしてもらう」とかがいいですかね。
ちなみに『ハック思考』で提示されている回答例はこちら。
②その法則を構成するシステムのスキマに介入する:
入学式でバディを組ませる
(193ページより)
著者は「友達をつくるときってどんなとき?」と考えて、それが「不安なとき」と結論づけたそうです。
そして「学校で一番不安なのは入学式!」という考えに至り、
「半ば強制的に友達を作る」システムとして、入学式でバディを組ませることを思いついたそうです。
「こんな方法でいいの?」と思うかもしれませんが、
ある美術大学ではこの方法により、退学率が5%減少したそうです。
「入学式でバディを組ませる」は結構効果のある方法みたいですね。
こんなふうに、人と違う規則性や法則を見つけて、その規則性や法則を構築するシステムのスキマに介入すれば、同じインプット量でも多くの成果を出せるようになるわけです。
こんな感じのケーススタディが後10問用意されています。
問題文は以下の通りなので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
Q1.温泉施設のチェーンでの会員の予約率を高めるには?
Q2.大規模な営業組織の売上を高めるには?
Q3.金融機関でローン審査が通った人の貸出率を高めるには?
Q4.会員登録フォームで、登録完了までのCVRを上げるには?
Q5.婚活マッチングアプリでマッチング率を上げるには?
Q6.観光客を増やすには?
Q7.内定辞退率を下げるには?
Q8.ある特定のアイテムを売るには?
Q9.通勤渋滞を緩和するには?
Q10.新規顧客を開拓するには?
(194~206ページより)
『ハック思考』ではこの記事で紹介した内容以外にも「規則性を見つけるための3つの”引き出し”」とかも紹介されていてます。
「規則性がなかなか見つからない…」という悩みも解決してくれる至れり尽くせりな本ですね。
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